こんにちは、めがねリーマン(@megane30s)です!
うつ病を治すための考え方に3つのCがあるって知っていましたか?
うつ病になる人は真面目、几帳面、責任感が強い、などの傾向があります。
そして、そういった性格のために、何か嫌なことがあったり、うまくいかないことがあると、「自分のせいだ…」、「自分の能力が足りなかったからだ…」などと自分を責めてしまいがちです。
もちろんその経験を前向きにとらえて、自己成長の機会だと考えられる人は早めに立ち直れますが、うつになりやすい人はそうはいきません。
自分を責めて、その気持ちにとらわれてしまう…
そしてさらにパフォーマンスが悪くなってミスをしてしまう…
その結果、メンタルを病んでしまい、うつになってしまいます。
うつは本当につらいです。
(私自身、うつになって不安感が強く、人生が変わりました…)
うつになり、自殺してしまう人も少なくありません。
今回は精神科医で大学の教授などもされている大野裕先生の『「うつ」を治す』という本を読んで学んだこと、考えたことを中心に紹介します。
私はこの本を読み、『うつ』についての理解を深めることができました。
これまでは抗うつ薬に頼って治療をしていたのを、「心理療法も試してみよう!」と思うことができ、日々本で紹介されている方法を取り入れています。
今回は本に書いてある方法を実際に試してみて、「気持ちが楽になった」と感じた3つのポイントを自分の経験と一緒に紹介します。
すでにうつになってしまった人だけでなく、現在「精神的につらい」と感じている人は今回の記事を読んで参考にしてみてください。
また今回の記事を読み、興味を持った人はぜひ本書を読んでみてください。
本を読み、紹介されている方法を実践することで、きっと気持ちが楽になります。
3つのCとは?
概要
まず、3つのCとは何か?
『認知』、『コントロール感覚』、『コミュニケーション』
のことです。
うつを治していくための治療のもととなる基本的な考え方です。
うつ病を治すには『休養』、『薬物療法』、『精神療法・カウンセリング』の3つの柱があります。
(参考 厚生労働省 「こころの耳 3うつ病の治療と予後」)
その中で今回紹介するのは『精神療法・カウンセリング』に分類されます。
他の2つの治療と違い、自分から『生きる力』をつけていく、そんな治療です。
心理的治療について、本の中では、以下のように書かれています。
心理的治療とは、考え方や気持ちを整理することによって精神的な苦痛を軽くする方法で精神療法や心理療法とも呼ばれます。
そして心理的治療には『認知療法』、『対人関係療法』、『行動療法』があります。
『認知療法』はできごとが起こった時、「それを自分がどう認知するか」を改善していく方法です。
『対人関係療法』はうつのきっかけになった人間関係を整理し、改善していく方法です。
『行動療法』は成果を明確にして行動目標を設定することで行動を促し、改善していく方法です。
この3つの治療法は海外の研究でもうつへの効果が実証されています。
そしてこの3つの方法の基本となる考え方として、本書で紹介されているのが3Cです。
3Cとは
『認知』
『コントロール感覚』
『コミュニケーション』
のことのようです。
この考え方を変えていくことでうつを治したり、うつにならないための防御になります。
今回は本で紹介されている3Cの考え方を紹介するとともに、そこから私が考えたことを紹介していきます。
では次からはそれぞれについて紹介していきます。
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認知(Cognition)
認知とはものごとの受け取り方のことです。
例えば、なにか嫌なことが起こったとします。
そのとき、
「たまたまだろうな」と思う人もいれば
「自分のせいだ…」と思ってしまう人もいます。
つまり、人によってものごとの受け取り方は違うのです。
(私は完全に後者です…)
そして、うつになりやすい人は「自分のせいだ…」というようにネガティブに考えてしまう人が多いです。
同じことを何度も考えてしまったり、同じ考え方に固執してしまったり、すべてが悪い方向にいっていると考えてしまいます。
そうしているうちに、ネガティブなことばかりにとらわれてしまい、どんどん泥沼にはまっていってしまいます。
そんな考えがうつを引き起こすきっかけになってしまいます。
そこでこの本では、「ネガティブに考えてしまっているな」と思ったら、現実に目を向け、以下の3つの質問をしてするよう教えてくれています。
「そう考える根拠はどこにあるのか」
「だからどうなるというんだ」
「別の考え方はないものだろうか」
まずはネガティブに考えてしまった『根拠』を考えてみます。
このとき大事なのが、事実だけに目を向けることです。
なぜなら先ほども書いたように、ものごとの受け取り方は人それぞれ。
ネガティブに考えているのは自分だけかもしれないからです。
そして自分が思ている根拠は以外と思い込みだったりします。
また個人的におすすめしたいのが、このときに紙に書き出すことです。
特に根拠を考える際にはネガティブに考えてしまっている理由を考えていくことが有効です。
個人的には、このときに『A4メモ書き』という方法が使えると思います。
考えていることを紙の一番上に書いて、その下に理由と考えられるものをどんどん書き出していきます。
こんな感じです
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これは赤羽雄二さんの『0秒思考』という本で詳しく紹介されています。
要点としては
- 悩んでいることをテーマとして書く
- その理由を「なぜ」と問いかけて書いていく
- 1分でできるだけで書き出す
それだけです。
もやもやした気持ちが楽になる方法ですので、興味がありましたらぜひ参考にしてみてください。
👇
頭で考えてしまうだけだとぐるぐるとネガティブなことが浮かんできてしまいます。
しかし紙に書くと事実だけを客観的に見れて、書くことで心も落ち着きます。
ネガティブな考えが浮かんだら、『根拠はなにか』を考えること、そしてそのときA4メモ書きでどんどん考えを頭の外に出していくことをぜひ試してみてください。
★★★
次に『だからどうなるんだ』と考えてみます。
ネガティブに考えてしまっていると、ついつい自分がしたことや起こっているものごとが悪い方向にいくのではないかと思って不安になってしまいます。
そんなときに、『悪いことが起こったとして、どんなことが起こるのか』を書き出してみてください。
例えば、仕事でミスをしてしまったとします。
「やってしまった…」
「自分のせいだ…」
と考えてしまっているとします。
そこで、そのミスのせいでどんな悪いことが起こるかを書き出してみます。
- 上司から怒られる
- 取引先から怒られる
- 取引がなくなる
- 売上が落ちる
- 自分の成績が下がる
- クビになる
などなど
いろいろ出てくると思います。
しかし、書き出してみたものを見てみてみると、
「なんだそれだけか」
と思えませんか?
上司や取引先から怒られても一時的なことです。
取引がなくなったり売り上げが落ちても、他の営業先を探せばいいだけです。
自分の成績が下がっても、次挽回すればいいです。
クビになったとしても、他の仕事はいくらでもあります。
また個人的には、このとき、
「それでも最悪死にはしないよね」
くらいに考えるようにしています。
ぜひものごとが起こって悪い結果を書き出してみて、客観的にみる習慣をつけてみましょう。
★★★
最後は『別の考え方はないか』を探すことです。
うつになりやすい人は1つの考えに固執してしまいがちです。
なにか嫌なことやミスしたりしたときに、すぐに「自分のせいだ…」、「自分はなんてくずなんだ…」と極端に考えてしまいます。
そして、すぐに「こんな自分はもう会社を辞めたほうがいいじゃないか」などと考えてしまうこともあります。
そうではなく、別の選択肢を一つだけでも考えてみてください。
例えば、仕事でミスをしてしまったとします。
ネガティブに考えてしまうと、
「もうだめかも…」
「会社をやめてしまう…」
と考えてしまいます。
ネガティブに考えてしまうのは癖づいているのですぐには変えられませんので仕方ないと考えて、なんとかもう一つの選択肢を絞り出してみます。
例えば「会社を辞める前に他の部署に異動できないかな」と考えてみます。
そう考えると、
「今の自分が置かれた立場だけがすべてじゃないかも!」
と思えて頭が働きだします。
これまでネガティブな思考にとらわれてしまって、「会社を辞めてしまおう」と考えていたのが、一つだけでも別の選択肢があるとわかるだけで、気持ちが楽になります。
そして、選択肢が増えることでネガティブな考えにとらわれるのではなく、現実的な問題として考えられるきっかけになります。
ですので、ネガティブな考えにとらわれてしまったり、極端に結論を出してしまったりしそうなときは、1つだけでも別の選択肢を考えてみましょう。
また私はこのとき逆のことを考えるようにしています。
例えば、先ほどのように
「もう会社をやめてしまおう」
と考えてしまったときに、
「会社にしがみついてやろう」
と考えてみます。
そう考えると、自然に
「そのためにはどうすればいいだろうか?」
という発想になります。
私のように逆のことを考えてみるのもおすすめです。
★★★
コントロール感覚(Control)
次に『コントロール感覚』についてです。
仕事を自分で管理できず、周りに振り回されてしまったり、自分のスキル以上の仕事を押し付けられたりすることってありませんか?
そういう状態が続くと、気持ちが沈んでしまい、さらに自分で判断ができなくなってきて悪循環になります。
このように自分で自分の行動を管理する『コントロール感覚』が持てないと、「何をやっても無駄」と考えてしまったりして、メンタルが落ち込んでいき、うつの原因になります。
ではどうすればコントロール感覚を鍛えればいいのか?
それは問題解決の方法を学ぶことです。
問題解決の方法として本書では以下のような順番で考えることで問題に向き合うことを紹介されています。
-
問題の具体化
-
解決方法を探る
-
解決法の長所と短所を考える
-
実行する
-
行動の評価
例えば、上司からあいまいな指示ばかりされて、ミスをしてしまい、気持ちが沈んでいたとします。
上司に逆らうことは性格的にできないので、だんだんメンタルが病んでいきます…
そういうとき、上記の順番に沿って考えてみます。
1.問題の具体化
→上司からあいまいな指示をされてミスをしてしまっている
→あいまいな指示をするのは上司の問題であってそれはコントロールできない
→だったら指示を理解できていないままにしているのが問題かも
2.解決方法を探る
・上司にもっと具体的に指示をしてくれないか相談してみる
・理解できていないポイントを書き出して質問してみる
・自分で調べられないかネットなどで調べてみる
・周りの先輩や同僚に相談してみる
などなど
3.解決法の長所と短所を考える
・上司にもっと具体的に指示をしてくれないか相談してみる
→効果はありそうだけど上司とコミュニケーションとるのは難しいからハードルが高いな
・理解できていないポイントを書き出して質問してみる
→少し時間はかかるかもしれないけど相談するよりは応じてくれそう
→最優先!
・自分で調べられないかネットなどで調べてみる
→勉強になりそうだけど今回は時間がかかりそうで難しいな
・周りの先輩や同僚に相談してみる
→助けてくれる先輩はいるけどまずは自分で行動した方がいいかな
→2番目!
4.解決方法を実行する
→まずは最優先の方法を実行してみる
(無理そうだったら他の選択肢を実行しようと考える)
5.行動の評価
→上司から面倒がられたけどなんとかできた
→質問文が長くて嫌そうだったから次は短めの文章を書くようにしよう!
みたいな感じで順番に沿って進めていきます。
問題解決の型を知っているだけで、楽に考えられそうじゃないですか?
(私自身「この型にはめて考えるだけでいいんだ」と思って楽になりました!)
そして、問題解決に取り組んでいると、「ものごとに対して自分で考えて主体的に取り組んでいる!」という感覚を持てます。
そう感じることで、
「自分で自分の行動をコントロールできている」
「主体的に行動できている」
と思えるようになり、気持ちが楽になります。
★★★
コミュニケーション(Communication)
最後に『コミュニケーション』についてです。
周りの人とうまくコミュニケーションが取れないと、気持ちが沈んでしまうことってありませんか?
うまくコミュニケーションが取れないことで、人間関係をつくるのが怖くなったり、内向的になってうちにこもってしまったり…
そのように人間関係がうまくいかないことは、メンタルを病んでしまい、うつ病のきっかけになってしまいます。
ではコミュニケーションをうまくとっていくにはどうすればいいのでしょうか?
ここでは本で紹介されている方法の中から、私が実践して気持ちが楽になった3つを紹介します。
- 「完璧な人間関係はない」と考える
- 意見の食い違いを恐れない
- 言いずらいことも伝える
1.「完璧な人間関係はない」と考える
まずは「完璧な人間関係はない」ということです。
周りの人と話していて、すべての意見が同じだったことってありますか?
また子供のころからの友人と一度もけんかをせずにこれまで生きてこれましたか?
そんなことないと思います。
(もしあったらすみません…)
だれでも考えや意見の食い違いはありますし、ずっといい関係でいるってとても難しいことです。
(というかほぼ不可能なのではないでしょうか)
時には意見を戦わせることもあるし、けんかもする。
それでお互いさらにわかりあっていけばそれでいいんです。
もし一度の食い違いで別れることになってしまっても、それだけの関係だっただけのことです。
そして個人的に組み合わせて考えるといいなと思ったのが、『パレートの法則』です。
『パレートの法則』というのは、人間関係において、
- 2割は好意的
- 6割はどちらでもない
- 2割は好意的ではない
というものです。
これを知っておくだけで、
「そもそも周りの人の2割は自分と気が合わない」
と思えます。
そう思えれば
「上司と気が合わなくても仕方ないよね。きっと仲間になってくれる他の2割がいるはず!」
と思えます。
ぜひ、完璧な人間関係はない、そして、パレートの法則も覚えておきましょう。
それだけで、合わない人がいてもきっと人間関係が楽になります。
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2.意見の食い違いを恐れない
ものごとの捉え方は人それぞれ異なります。
好き嫌いも人それぞれです。
自分がした行動を評価してくれる人もいれば、評価してくれない人もします。
ですので、自分が何か伝えるとき、期待通りの反応をされなくても気にしないことです。
本の中でも以下のように解説されています。
少しの食い違いが、取り返しのつかない問題にまでなるのではないかと恐れることさえあります。しかし、少しくらい意見が違っても、それですべてがだめになってしまうことは、めったにありません。
このように、意見が食い違うっても人間関係はそう簡単に悪くなりません。
ですので、意見が違っても気にしないことが大事だと思います。
私はこの本を読んで、
「意見が違うことを怖がらないようにしよう」
と思うことができました。
さらに個人的には、昔からコミュ障なこともあり、意見が違うことを言えないタイプなので、以下のように言い聞かせるようにしています。
「意見が合えばラッキー」
「むしろ仲良くなれるかも」
(パレートの法則のいい感じの2割の人かも!)
また意見が違っても、
「そりゃそうだよね。人間だもん。」
それくらいの軽い気持ちでいるのが楽かなと思います。
コミュニケーションをとるようにしてみましょう。
★★★
3.言いずらいことも伝える
生きていれば言いずらいことってあると思います。
「ミスしちゃったけど言うと怒られそうだな」
「いま機嫌悪そうだからあとにしようかな」
など
しかし、そういうときほど早めに言った方が楽です。
本の中でも以下のように書かれています。
黙っていたために、かえって後で関係がこじれてしまうことさえあります。
この文を読んだとき、まさに自分だと思いました…
私は仕事でミスしたり、終わっていないことをなかなか言い出せませんでした…
そして後々それがばれてかなり怒られて…
(自分てポンコツすぎるなと思います…)
しかしこの文を読んで、
「言いづらいことも早めに伝えよう」
と自分に固く誓いました。
ものごとの捉え方は人それぞれです。
自分にとって言いずらいことは相手にとっては大したことないことかもしれないのです。
むしろ、黙っているほうが後々になって
「言った方がよかったかな…」
と思い悩んでしまい、気持ちが沈んでしまいます。
ですので、言いずらいことだったとしても、気にせず言うようにしましょう。
私自身とても苦手ですが、やっていこうと思います。
★★★
まとめ
今回はうつ病を治す3つのCについて、本を読んで学んだ方法を紹介しました。
『認知』
『コントロール感覚』
『コミュニケーション』
メンタルがつらいなと感じたら、
「メンタルを病まないためには3つのCを気を付けよう」
「ネガティブな気持ちになったら、『認知』、『コントロール感覚』、『コミュニケーション』を気を付けてみよう」
と思い返してみてください。
きっと気持ちが楽になって、生きやすい考え方をできるきっかけになると思います。
★★★
今回紹介した本
今回は大野裕先生の『「うつ」を治す』を読んで、学んだこと、考えたことを紹介しました。
本の中では、今回紹介した心理的治療以外にも、薬物療法や社会的治療など、うつを治すための治療について幅広くわかりやすく解説されています。
また「うつはどんな病気なのか」、「どういう症状がでたらうつと考えればいいか」なども解説されています。
私自身うつ病になり、ネットを見たり本を読んだりしていろいろ調べてきました。
なかなか「うつ」についてわかりやすく理解できずにいましたが、この本ではうつについて様々な研究をもとに解説されており、かつ分かりやすく紹介してくれています。
今回紹介したようなうつを治すための方法も多く紹介されています。
「生きるのがつらい」
「うつかも」
「どうすれば治るのだろう」
と思っている人にはとても参考になると思います。
ぜひ手に取ってみてください。
今回の記事が少しでも参考になればうれしいです!